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第94回選抜高校野球大会

「有終の美」を誓う林和成監督(星稜高)の最後の春

 

母校・星稜高を指揮する林和成監督は2019年夏、右腕エース・奥川恭伸[現ヤクルト]を擁して、甲子園準優勝へと導いた。卓越した指導力には定評がある[写真=沢井史]


着飾ることはしない一戦必勝を貫く5試合を


 昨年9月3日、星稜高(石川)は林和成監督が今年の3月31日をもって退任することを発表した。今春のセンバツへ重要な資料となる県大会開幕直前であり、周囲は驚いた。

「10年という節目が(身を引く)一番いいタイミングだと思っていたのですが、コロナ禍ということもあって、今回の決断になりました。選手たちに直接話したとき、1、2年生は淡々と聞いていましたが、3年生がとても驚いていたのを覚えています。トップが変わってもお前たちのやることは変わらないよ、と伝えました」

 林監督は星稜高時代に3回の甲子園に出場。2年夏には、松井秀喜氏(元ヤンキースほか)と三遊間を組んだ。明徳義塾高(高知)との2回戦では、先輩の「5打席連続敬遠」を見た。高校卒業後、日大を経て98年に母校にコーチとして戻ると、04年に部長、11年に監督に就任。春3回、夏5回の甲子園出場へ導き、19年夏にはエース・奥川恭伸(現ヤクルト)と山瀬慎之助(現巨人)のバッテリーを擁し、準優勝を遂げた。

 退任公表から約1週間後に始まった県大会。敗退すれば公式戦での指揮は最後、という緊張感と常に隣り合わせだったが・・・

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