「全力疾走」を貫く東海王者

　豊川高(愛知)の長谷川裕記監督が現チームのターニングポイントに挙げたのは、秋季愛知大会の準々決勝(対東邦高)だ。春、夏、秋の公式戦で7連敗中だった宿敵に対し、序盤に3点を奪うものの1点を返され、終盤はピンチの連続。それでも「しっかりと守って粘り強く戦えた」と指揮官が振り返るように、左腕・鈴木爽太(3年)の内角を突く強気の投球に、守備もショートの鈴木貫太主将(3年)を中心にした堅守で応え、そのまま3対1で逃げ切った。続く準決勝は初回に5点を失うも小牧南高に12対8で逆転勝利。東海大会準決勝では宇治山田商高(三重)に対して9回裏に3点を奪い6対5で逆転サヨナラと、劇的な展開で大一番を勝ち上がってきた。

　終盤の競り合いを制している理由について長谷川監督は「ふだんの練習から全力疾走を心がけ、ゴールの3歩先まで走り抜けることで最後まで力を抜くことなくあきらめないように指導しています。試合中も・・・