週刊ベースボールONLINE

森繁和の投手考察

今週の考察対象/吉川光夫[日本ハム]

 

どんないい投手でも、試合の途中で突然崩れる時がある。

6月30日の西武戦(西武ドーム)に先発した日本ハム吉川光夫もそうだった。試合前の時点の防御率は1・49でリーグ1位。試合も5回まで3安打無失点だった。しかし6回、味方が3点を追加。リードが5点に広がった。本来なら楽勝ペースだろう。しかしここでホッとしたのだろうか、その裏に別人のようになってしまった。

いかにメンタル面が投球に影響するのかを、あらためて痛感させられた。吉川は6回、先頭の栗山に四球。しかし続くヘルマンがボール気味の初球を打ってくれて、遊ゴロになった。これで楽になったかな、と見ていたら、続く中島に安打。このあたりからそわそわしだした。その後も連打を許し、3点を返されてなお一死二、三塁。ここで代打・カーターに四球を与え、満塁とした場面で降板した。

結局は2番手の新人右腕・森内がヘルマンに決勝満塁アーチを浴びるなどして1イニングで9点を失ってしまうのだが、負け投手は吉川。投手の交代時期の難しさ、という点も浮き彫りになった試合だった。

ここまでの成績どおり、吉川は力投型の非常にいい投手だ。直球も常時146〜147キロで、右打者の内角にクロスで食い込んでいく。ファウル、ファウルで追い込み、フォークで三振。逆にカーブ、スライダーと緩い球でカウントを稼ぎ、直球でビシッと決めるパターンもある。確かに6回はボールが甘くなった面もあるが

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング