週刊ベースボールONLINE

堀内恒夫の多事正論

堀内恒夫コラム「ドラフト候補生諸君、ここから半年間で大いに力をつけろ!」

 

 プロ野球選手の皆さんには正月気分はないようで、各地から球音が聞こえてきている。年が明けたばかりと思っていたら、自主トレが始まり、半月後にはもうキャンプがスタートするのだ。

 今週号では早くも今年のドラフト候補生を取り上げている。先取り、先取り。さすが、野球専門誌だと感心させられる。

 今年もアマ球界は力のある選手が多いようだ。高校生では済美高の安樂智大君、大学では早大の有原航平君。彼らを筆頭に、実力派が目白押しだという。今年のドラフトまで彼らがどれだけ力を付けるか楽しみだ。

 以前、この欄で少し触れたと思うが、安樂君は2年春のセンバツ大会で準優勝したが、準々決勝から3連投するなど、いわゆる“酷使”も話題になった。彼は夏の大会も甲子園に出たが、センバツの印象が強烈だったからか、正直なところ期待外れだった。投球フォーム的に言うと、上下動が大きく、スイングを使って投げようとするあまり、ボールが抜けていた。済美高は愛媛大会で早々と敗れ、今年のセンバツには出てこない。しっかりとした体とフォームを作りながら、夏の大会でさらに成長した姿を見せてもらいたい。

 長年、高校野球を見ていると、1年生のときに「これは……」と思わせた投手が、2年生、3年生と上級生になるに従って、魅力がなくなっていくことがよくある。通常、伸び盛りの年代で、1年ごとに体も出来上がっていき、力もついてくるのだが、順調に伸びない選手がいる。

 理由はいろいろある。下級生のときに注目されると、本人は甲子園の本大会に出たいという欲が強くなり過ぎ、地方大会を投げ抜くために楽を覚えようとする。その結果、フォームに躍動感がなくなり、プロ側からすると魅力が半減していくのだ。

 自分はどうだったか? 私は高校ではなく、中学3年生のころから伸びた気がする。自分で言うのもなんだが、もともと素質はあったようだが、甲府南中3年のとき、山梨県内の4つの大きな大会にすべて優勝した。正確に言うと、中学2年の秋の新人戦から始まり、春、夏の県大会、県体育祭なんていう大会にも勝った。

 これだけ勝てば・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

堀内恒夫の多事正論

堀内恒夫の多事正論

レジェンド堀内恒夫の球界提言コラム。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング