一死三塁で打者は二塁ゴロを打ちましたが、その前にバットが捕手のミットに触れていました。この打球でスタートを切っていた三塁走者は生還しましたが、この得点は認められますか。あるいは打撃妨害で打者一塁、走者は三塁に戻されるのですか。 この場合は、攻撃側の監督の選択に任されます。規則6.08は、打者は走者となりアウトにされる恐れなく安全に一塁が与えられる条項ですが、(c)にはこうあります。「捕手またはその他の野手が、打者を妨害(インターフェア)した場合。しかし、妨害にもかかわらずプレイが続けられたときには、攻撃側チームの監督は、そのプレイが終わってからただちに、妨害行為に対するペナルティの代わりに、そのプレイを生かす旨を球審に通告することができる」
このケースが08年5月31日の
西武-
中日戦(西武ドーム)で起きました。2回裏一死一、三塁で西武の
細川亨が二塁ゴロを打ちましたが、スイングした際にバットが捕手のミットに当たっていました。三塁走者の
G.G.佐藤はスタートを切っていて本塁を踏んでいます。
この場合に監督に選択権が与えられるのです。細川が打撃妨害で一塁に出塁する(一塁走者は当然二塁に進み、生還した走者は三塁に戻され一死満塁になる)か、妨害のペナルティの代わりにプレイを生かし、打者は二塁ゴロで走者の得点を認めるかです。このとき、西武の
渡辺久信監督は、「二ゴロで得点」を選んでいました。
また同規則の[注1]として、「監督がプレイを生かす旨を球審に通告するにあたっては、プレイが終わったら、ただちに行わなければならない。なお、いったん通告したら、これを取り消すことはできない」とあります。
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