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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

ホームスチールに気付いた捕手が本塁上に飛び出し投球を受け、走者にタッチこのプレーは認められるか

 

三塁走者のホームスチールに気づいた捕手は投球を受ける前に本塁上に飛び出し投球を受け、走者にタッチしました。タイミングは完全にアウトですが、これは認められますか。

 前号(7月25日号)と類似したケースで、認められません。三塁走者の得点が認められ、打者には打撃妨害で出塁が与えられます。規則6.01(g)にはこうあります。

「三塁走者が、スクイズプレイまたは盗塁によって得点しようと試みた場合、捕手またはその他の野手がボールを持たないで、本塁の上またはその前方に出るか、あるいは打者または打者のバットに触れたときには、投手にボークを課して、打者はインターフェアによって一塁が与えられる。この際はボールデッドとなる」

 ここで投手にボークを課すとありますが、これは走者に得点を許すための便宜的な処置と心得て下さい。【注1】には、

「捕手がボールを持たないで本塁の上またはその前方に出るか、あるいは打者または打者のバットに触れた場合は、すべて捕手のインターフェアとなる。特に、捕手がボールを持たないで本塁の上またはその前方に出た場合には、打者がバッタースボックス内にいたかどうか、あるいは打とうとしたかどうかには関係なく、捕手のインターフェアとなる」

 とあります。従来は7.07にあったこの規則は、今年からの規則書の大改正によって6.01(g)となっていますが、ここには大事な規則が沢山あります。【注2】には「すべての走者は、盗塁行為の有無に関係なく、ボークによって1個の塁が与えられる」とあります。

【注4】には「投手が投手板を正規に外して走者を刺そうと送球したときには、捕手が本塁上またはその前方に出ることは、正規なプレイであって、打者がこの送球を打てば、かえって打者は守備妨害として処置される」とあります。
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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