打者が打った打球がバウンドし、これを処理しようとした投手のユニフォームのすき間から、中に入ってしましました。投手はボールを取ろうとユニフォームの中に手を差し入れましたが、うまくつかめない間に、打者は一塁に到達してしまいました。このようにボールがユニフォームに入ってしまった場合は、ボールインプレーですか、それともボールデッドが宣告されるのでしょうか。 非常に珍しい事例ですがボールデッドが与えられることはなく、ボールインプレーで打者は一塁に生きます。
メジャー・リーグで実際にあったプレーで、打ったのは現在、
阪神に在籍している
福留孝介選手でしたので、日本でもニュースなどで報じられていました。
2009年7月28日のカブス対アストロズであったプレーで、当時カブスに在籍していた福留の当たりが、打球を拾おうとしたジェフ・フルチーノ投手のユニフォームの中に入ってしまったのです。フルチーノ投手が手を差し入れ、ボールを取り出そうと苦労している間に、福留は一塁に悠々達し、記録は安打となりました。
野球規則では、打球がユニフォームの中に入り込んだときの処置に関しては記載がありません。つまり、成り行きのまま、と考えるのが妥当でしょう。
一方、この事例と直接関係はありませんが、捕手のマスク、用具にボールが挟まったときについては、ちゃんと決められています。
走者について触れた規則5.06(b)の(4)(I)には
「四球目(フォアボール目)、三振目(スリーストライク目)の投球が、球審か捕手のマスクまたは用具に挟まって止まった場合、1個の塁が与えられる」とあります。この際はボールデッドとなります。