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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

一死満塁で打者が遊ゴロを放った。併殺を阻止しようとした二塁走者が故意的に打球に当たったが、判定はどうなる?

 

一死満塁で打者が遊ゴロを打ちました。打球は明らかにダブルプレーコースのため、「この回の攻撃が終了になる」と判断した二塁走者は、走るのをやめて途中で立ち止まり、故意的に打球に当たりました。二塁走者が打球に当たった瞬間にボールデッドとなり、併殺を防げることはできるのでしょうか。

 瞬時に二塁走者が併殺を防ごうとした頭脳的プレーと思われそうですが、当然、このようなプレーが認められるわけがありません。

 6.01(a)の(6)に

「走者が、明らかに併殺を行なわせまいとし故意に打球を妨げるか、または打球を処理しようとしている野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員は、その妨害をした走者にアウトを宣告するとともに、味方のプレーヤーが相手の守備を妨害したものとして打者走者に対してもアウトを宣告する」

 とあります。

 公平を期すべき野球規則が、こんなプレーを許すわけがなく、野球規則にしっかりと、今回の「問」のようなプレーに対する処置が記されているのです。

 また同(7)には

「打者走者が、明らかに併殺を行なわせまいとして故意に打球を妨げるか、または打球を処理している野手を妨害したと審判員が判断したとき、審判員は打者走者に妨害によるアウトを宣告するとともに、どこで併殺が行なわれようとしていたかには関係なく、本塁に最も近い走者に対してもアウトを宣告する。この場合、ボールデッドとなって他の走者は進塁することはできない」

 とあります。

 塁上の走者に限らず、打者走者に対しても故意的に併殺を防ごうとした場合は、同様の処置が取られます。いずれにせよ、攻撃側は2つのアウトを奪われるのですから、攻撃側の頭脳的プレーなど成立しないわけです。
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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