一死三塁で打者は左翼へ大飛球を放ちました。左翼手はボールをグラブの中に確実につかむ前に、何度かグラブから落としそうになりましたが、走者は左翼手がボールを確実に捕球するより前にスタートを切りました。これに対して守備側は『走者のスタートが早かった』と抗議してきました。どう判定すべきでしょうか。 野手の捕球にともなう走者のスタートのタイミングがジャッジの焦点となりますが、キャッチ(捕球)を規定している規則2.15には、まず、こうあります。
「野手が、インフライトの打球、投球または送球を、手またはグラブでしっかりと受け止め、かつそれを確実につかむ行為であって、帽子、プロテクター、あるいはユニフォームのポケットまたは他の部分で受け止めた場合は、捕球とはならない」とあります。
この本文に続く【原注2】にこう記されています。
「野手がボールを地面に触れる前に捕らえれば、正規の捕球になる。その間、ジャッグルしたり、あるいは他の野手に触れることがあってもさしつかえない」とあります。
さらに、その次にゴシック文字で
「走者は、最初の野手が飛球に触れた瞬間から、塁を離れてさしつかえない」と注意を喚起しておりますから、走者のスタートが早かったという見方は成り立たないわけです。
また、この【原注2】の最後の部分には、次のような一節があります。
「ダッグアウトの縁で飛球を捕らえようとする野手が、中へ落ち込まないように、中にいるプレーヤー(いずれのチームかを問わない)によって身体を支えられながら捕球した場合、正規の捕球となる」とあります。
クイズに出そうな問題ですので、しっかり覚えておきましょう。