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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

ベースコーチがインプレー中にコーチスボックスの外に出ていたりラインをまたいで立っているのは問題ない?

 

プロ野球を見ていると、ベースコーチがインプレー中に、コーチスボックスから完全に外に出ていたり、ラインをまたいで立っていたりしますが、ルール上、問題はないのでしょうか。

 まず、野球規則5.03で定められている“ベースコーチ”について見ていきましょう。5.03(b)には「ベースコーチは、各チーム特に指定された2人に限られ、次のことを守らなければならない。(1)そのチームのユニフォームを着ること。(2)常にコーチスボックス内にとどまること」とあります。

 続いてペナルティとして「審判員は本項に違反したものを試合から除き、競技場から退かせる」としていますから、質問のような行為は本来は規則違反ということになります。

 ただしこの規則には続きがあって、【5.03原注】にはこのように明記されています。

「ここ数年、ほとんどのコーチが片足をコーチスボックスの外に出したり、ラインをまたいで立っていたり、コーチスボックスの外側に僅かに出ていることは、ありふれたことになっているが、(中略)相手チームの監督が異議を申し出ない限り、コーチスボックスの外に出ているものとはみなされない」

 特にプロ野球界ではどこの球団のベースコーチもコーチスボックス内に完全にとどまり続けているわけではありませんから、お互いさま、ということなのでしょう。

 同じく【5.03原注】には「コーチが、プレーヤーに『滑れ』『進め』『戻れ』とシグナルを送るために、コーチスボックスを離れて、自分の受け持ちのベースで指図することもありふれたことになっている。このような行為はプレイを妨げない限り許される」とも記載がありますので、解釈の幅がかなり広くなっているようです。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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