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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

2019年春季新潟大会から100球を上限とした球数制限を実施予定。ほかにも球数制限を行っているリーグや大会はある?

 

新潟県高野連が2019年の春季新潟大会で、球数制限を導入することが話題となっています。高校生以上の年代やカテゴリーで、これ以外に球数制限をしているリーグ(大会)はあるのでしょうか。

 球数制限の導入に関して、新潟県高野連は故障予防や選手の出場機会増などが目的であることを説明し、「投球数が100球に達した投手はそれ以降の回では投球できない」というルールを導入することを明らかにしました。学校単位や地域単位の小さな大会は別にして、都道府県高野連が管轄する公式戦では初めての取り組み。画期的な第一歩だと思います。

 高校野球界ではこれまで投球過多による投手の酷使が問題視されてきました。日本高野連は選手の負担軽減などを目的として、2018年のセンバツ大会から延長13回開始のタイブレークを導入しており、今回の新潟県高野連による球数制限導入は、さらに踏み込んだ対策といえるでしょう。新潟県高野連の理事会と評議員会ですでに承認されており、今後は決定事項として日本高野連に通達する段階とのことですが、上位組織に当たる日本高野連は寝耳に水だったようです(※春の都道府県大会は各都道府県高野連に裁量が任されている)。

 ちなみに、18年春から導入されたタイブレークも発案から導入までに3年が掛かっており、導入時点で日本高野連は「投球数制限の導入はそれ以上に難しい問題」と見解を示していますから、『投球数制限』を全国大会で導入するにはまだまだ時間が掛かりそうです。

 なお、高校生以上のカテゴリーで球数制限を導入している大きな大会としては、各国トッププロが参加するWBCが挙げられます。投球数については細かく分けられているので詳細は割愛しますが、例えば17年大会では予選ラウンド65球、セカンドラウンド80球、決勝ラウンドでも95球の制限が定められています。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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