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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

2019年度の野球規則改正が発表。19年度はどのような点が改正された?

 

1月28日に2019年度の野球規則改正について発表があり、準備投球制限の撤廃が紹介されていましたが、今回はどのような点が改正されているのですか。

 プロアマ合同の日本野球規則委員会が1月11日、都内で開かれており、その後、28日に同委員会から公認野球規則の12項目について改正されることになりました。1部を除き1年前にMLBで改正された項目です。

 大きな改正点は、問にあるように、“準備投球”について触れた野球規則5.07(b)でしょう。“準備投球”とは、各イニング始めに投手がマウンドに立って、捕手に向かって肩慣らしをする投球のことで、これまでは「捕手を相手に8球を超えない準備投球が許される」や、「このような準備投球は、いずれの場合も1分間を超えてはならない」と制限が課されてきましたが、後者が丸々削除され、前者は

「捕手を相手に準備投球をすることは許される」とあらためられており、準備投球制限が撤廃されました。ただし、各リーグには、独自の判断で、準備投球の数や時間を制限することが許されているので、注意が必要でしょう。

 準備投球の制限撤廃の代わりに、味方の攻撃中に試合出場中の投手がベンチ横やブルペンで行ってきたキャッチボールの禁止を徹底することが確認されています。

 味方の攻撃中にベンチ横などでキャッチボールを行うのは日本独自の習慣であり、元々ルール上は禁止されていたものの、黙認されてきました。中本尚規則委員長は「あえて申しますが、(ベンチ前のキャッチボールは)悪い習慣だと思います。ほかの国でやっていることを、できないはずがありません」と、禁止徹底を掲げました。

 なお、昨季も社会人と東京六大学など一部リーグは禁止を徹底しています。今回、納得いくまで準備投球できることになるわけですから、必然的に、ベンチ前でのキャッチボールは必要なくなる、というわけです。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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