タッチアップについての質問です。三塁走者が打者の飛球でホームに進むためには捕球後に三塁ベースへのリタッチが必要ですが、止まった状態からのスタートなので、どうしてもスピードに乗れません。そこで、飛球が上がった瞬間に二、三塁間に少し戻り、外野手の捕球にタイミングを合わせてスタートを切り、捕球後に三塁ベースを蹴ってホームへ突入することを考えました。このほうがスピードにも乗ってより速くホームに到達することができます。ルール上、問題はありませんか？

　規則上、問のようなリタッチの方法は認められていません。これは“アピールプレイ”について触れた野球規則5.09(c)(1)に「次の場合、アピールがあれば、走者はアウトとなる」として以下のように定められています。

「飛球が捕らえられた後、走者が再度の触塁(リタッチ)を果たす前に、身体あるいはその塁に触球された場合。【原注】ここでいう“リタッチ”とは、捕球後、塁に触れた状態から次塁へスタートすることをいう。したがって、塁の後方からスタートして、走りながら塁に触れて次塁へ進もうとするいわゆるフライングスタートは、正規なリタッチの方法ではない」

　ホームへの生還率を何とか高めようという工夫、考えることはとても大切なことですが、今回に関しては規則上、アウトとなってしまうので注意をしてください。

　なお、2019年度の野球規則改正で、先ほどの条文には次の念押しの一文が加えられています。

「このような走者は、アピールがあればアウトとなる」

　ちなみに、リタッチについて、また、フライングスタートはあくまでもアピールプレイです。アピールがない限り、ゲームは続行されてしまうので、守備側の選手たちも規則をよく理解した上でアピールをしなければいけません。[文責=編集部]