二死満塁で打者の痛烈な打球が二塁手の右側(二塁ベース寄り)に飛びました。二塁手はこれに反応していましたが、二塁手の前にポジションをとっていた塁審に打球が当たり、打球は角度を変えて中堅前に弾みました。これを見て二塁走者もホームを駆け抜けましたが、この場合、裁定はどうなりますか。 よく「審判は石ころと同じ」という言われ方もしますが、この場合はそうはいきません。
結論から言えば、審判員に打球が当たった時点でボールデッドとなり、打者走者には一塁への安全進塁権が与えられ、これに伴って各走者は1つずつ進塁、攻撃側には1点のみが許されます。“ボールデッド”について触れた野球規則5.06(C)(6)には
「(前略)内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールが、審判員に触れた場合」にボールデッドとなることが記されており、続けて「打者が走者とな務が生じた各走者は進む」とあります。
2015年6月2日の
DeNAと
ソフトバンクの一戦(横浜)で同様のプレーがありました。2対3とソフトバンクが1点を追う7回表二死満塁。打席の
柳田悠岐選手は痛烈な打球を放ちましたが、前めに位置していた二塁塁審に当たり、中前へ。2者が生還し、2点が入ったと思われましたが、審判団によって三塁走者の生還のみ認められ、3対3、二死満塁で試合は再開されました。
この試合、敗れたソフトバンクには不運という表現がされましたが、審判に当たらなければ二塁手がさばいていた可能性もあり、いずれにしろ試合の行方を左右するシーンとなりました。
ちなみに、内野手(投手を除く)を通過するか、いったん内野手(投手を含む)が触れたフェアボールが審判員に触れた場合はボールインプレーと定められています。[文責=編集部]