6月20日に行われた中日対西武戦(ナゴヤドーム)の9回表、西武の攻撃でのことです。無死一塁から三番の外崎修汰選手がバントを試み、投前に大きくはねた打球を大野雄大投手が処理し、一塁へ送球しました。打者アウトで一死二塁となるところで、中日の与田剛監督がベンチを飛び出し、「2度バットに当たったのではないか」と抗議をしました。しかしこれは受け入れられず、試合は再開されています。仮に2度バットに当たっていた場合、どのような判定となるのですか。 試合後、中日の与田監督は外崎選手がバントした打球が2度バットに当たったように見えたため、審判団に見解を求めたことを明かしています。仮に2度打ちであれば、判定はファウルとなります。ファウルボールについて触れた野球規則の定義32【注1】には
「打者の所持するバットに、打球(バントを含む)がファウル地域で触れたときは(もちろん故意でなく)、ファウルボールである。また、打者が打ったり、バントしたボールが反転して、まだバッターボックス内にいる打者の身体およびその所持するバットに触れたときも、打球がバットまたは身体と接触した位置に関係なく、ファウルボールである」と定められています。
今回のケースでは与田監督の抗議に対し、審判団側からは「そう見えない」という趣旨の返答があり、当該プレーはリクエストの対象外のため、リプレー検証も行われず、一死二塁からプレーは再開。その後、中日は勝ち越しを許しています。この判定について、中日は翌20日にNPBに意見書を提出、同日中に回答があり、ここには「バットに2度当たっているようには見えた」とした上で「審判団は現行のリプレー検証のルールに沿って判断をしている」と記されていたそうです。なお、「審判団が疑念を抱いた場合は本塁打の判定に限ってリプレー検証ができる」というルールについては「シーズン終了後に重要な課題として12球団の意見もふまえた上で検討する」との回答もあったとしています。[文責編集部]