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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

1対1の7回表に先攻のチームが1点をリード。しかし、直後に激しい雷雨で試合が中止に。この場合、試合の結果はどのようになる?

 

1対1の7回表に、先攻のビジターチームが本塁打による1点を加えて2対1と勝ち越しに成功しましたが、この直後に激しい雷雨となり、試合は中止となりました。この場合、試合の結果はどうなりますか? ビジターチームの2対1での勝利となるのでしょうか。

 これが日本のプロ野球(NPB)であれば、7回表のビジターチームの本塁打による得点は取り消され、試合は6回終了時の1対1の引分けとなります。

“正式試合”について定めた野球規則7.01(g)(4)の【注】に「我が国では、正式試合となった後のある回の途中で球審がコールドゲームを宣したとき、次に該当する場合は、サスペンデッドゲーム(編集部注※一時停止試合のこと)としないで、両チームが完了した最終均等回の総得点で試合の勝敗を決することとする」とあり、この2に以下のように記されています。

「ビジティングチームがその回の表でリードを奪う得点を記録したが、表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが同点またはリードを奪い返す得点を記録しないうちにコールドゲームが宣せられた場合」

 質問はまさにこのケースに当てはまり、両チームの攻撃が完了した6回終了の1対1が、質問の試合の最終スコアとなります。

 仮に7回表を1対2で迎え、ビジターチームが1点を奪って2対2と追いつき、この回の途中でコールドゲームが宣告された場合でも、【注】の1には「ビジティングチームがその回の表で得点してホームチームの得点と等しくなったが、表の攻撃が終わらないうち、または裏の攻撃が始まらないうち、あるいは裏の攻撃が始まってもホームチームが得点しないうちにコールドゲームが宣せられた場合」は2と同様に6回終了のスコアが最終スコアとなり、1対2でホームチームの勝利ということになります。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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