日本のプロ野球の首位打者の決め方についてです。規定打席以上に立った打者の中で、そのリーグの最高の打率を残した選手が首位打者のタイトルを獲得すると思っていましたが、規定打席に達していない打者でも首位打者になれる可能性があると聞きました。それはどのような場合ですか。 まず、“各最優秀プレーヤーの決定の基準”については野球規則9.22に以下のように定められているので見ていきましょう。
「プロフェッショナルリーグの打撃、投手、守備における各最優秀プレーヤーの決定は、次の基準による。 (a)リーグの首位打者、最高長打率打者、最高出塁率打者は、最高の打率、長打率、出塁率をあげたプレーヤーに与えられる。ただし、メジャーリーグではそのシーズン中の1クラブあたりに組まれている試合総数の3.1倍以上、マイナーリーグでは2.7倍以上の打席数を必要とする。打席数とは、打数、四球、死球、犠牲バント、犠牲フライおよび妨害または走塁妨害による出塁数の各々の合計をいう。ただし、必要な打席数に満たない打者でも、その不足数を打数として加算し、なお最高の打率、長打率、出塁率になった場合には、この打者がリーグの首位打者、最高長打率打者、最高出塁率打者となる(後略)」 日本でも一軍の規定打席は試合総数の3.1倍以上、二軍は同2.7倍以上でMLBと同様です。そしてこれらのことから、質問のように規定打席に達していなくても、不足分を足して、リーグ内でトップの打率となれば首位打者のタイトルを獲得できるということです。これまで日本の一軍では1度もこのような例はありませんが、二軍ではイースタンで4度、ウエスタンで6度あります。
また、MLBでは1996年に規定打席に4打席不足していたトニー・グウィン(パドレス)がこの制度によりナショナル・リーグ首位打者になっています。[文責=編集部]