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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

捕手のミットのサイズには規則で決まりがある?

 

ある漫画で、投げている本人もどこに行くか分からない変化量の大きいナックルを操る投手が描かれており、その投手がマウンドに立つと、捕手がそれまで使っていたものよりも大きいミットに持ち替えてナックルの変化に対応するシーンがありました。漫画なのでミットのサイズはかなり大げさに、大きく描写されていましたが、そもそも捕手用のミットのサイズには何か規定があるのでしょうか。

 前号(9月30日号)に続き、道具に関するルールの質問です。“捕手のミット”については野球規則3.04に下記のようにかなり細かく定められています。

「捕手の革製ミットの重量には制限がない。その大きさは、しめひも、革のバンドまたはミットの外縁につけられているふちどりも含めて外周で38インチ(96.5センチ)以下、ミットの先端から下端までは15 1/2インチ(39.4センチ)以下でなければならない。ミットの親指の部分と人さし指の部分との間隔は、その先端で6インチ(15.2センチ)以下、親指の叉状の部分で4インチ(10.2センチ)以下でなければならない。

 親指と人さし指との間にある網は、両指の先端をつなぐ部分の長さは7インチ(17.8センチ)以下、先端から親指の叉状の部分までの長さは6インチ以下に作る。網はひもで編んだものでも、革で被覆したひもで編んだものでも、または、手のひらの部分の延長となるように革をひもでミットに結びつけたものでもよいが、前記の寸法を超えてはならない」

 この規則の上限でミットを作成すると、一般的なサイズの捕手用ミットに比較して、かなり大きなサイズのものとなることが分かると思います。使用する素材にもよりますが、一般的なミットと同じ素材で同サイズのものとなると、重量的にもかなり重いものになることが予想され、これを操れるプレーヤーはそう、いないのではないでしょうか。捕球はよくても、送球に移る動作には影響が出ることは必至です。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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