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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

2020年度からMLBではワンポイントリリーフができなくなる?日本ではどうなる?

 

メジャー・リーグでは2020年度からワンポイントリリーフができなくなると聞きました。どういうことでしょうか。日本でも同じですか。

“ワンポイントの禁止”については、今春、このコーナーでもMLBで議題に挙がっていることを紹介しました。その後、MLBやMLB選手会(選手会側は同意も、一部選手や監督らが反対意見を表明し、難色を示していた)などで話し合われ、11月末に行われたオーナー会議で承認、12月11日にロブ・マンフレッドMLBコミッショナーが2020年度のそのほかの複数のルール変更とともに、“ワンポイントの禁止”についてのルールも来季から採用することを発表しています。正式な規則の文言は今後明らかにされますが、その中身はこうです。

「投手は(ケガをしない限り)少なくとも3人の打者と対戦するか、イニング終了まで投げなければならない」

 たとえば、これまでならば勝負どころのイニングで、先頭打者が左打者でその後は右バッターが続くような場合、その先頭打者に対して左キラーと呼ばれるような左投手を当て、この打者が終わったところで右投手にスイッチするような作戦が成り立ちましたが、これはMLBでは来シーズンより認められません。仮にイニングの先頭で左投手がマウンドに立ったのなら、左打者の後に続く右打者(最低でも2人)にも投げなければいけません。

 これらは投手交代によって生じる試合の中断時間を少なくすることで試合のスピードアップを図る狙いがあるようです。ちなみに、MLBでは20年シーズンから採用となりますが、日本では20年からの採用はありません。MLBでのルール変更は、検討の末に1年後に日本でも採用されるのが通例で、早くても21年からとなります。MLBではどんな影響が出るのか。注目したいところです。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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