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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

2020年の東京オリンピック以降、国際大会は7イニング制になる?

 

2020年の夏に行われる東京オリンピックでようやく復活する野球競技ですが、オリンピック以降、国際大会が7イニング制になるというニュースを目にしました。本当ですか? プロ野球や高校野球にも影響はあるのでしょうか。また、24年のパリ・オリンピックでは野球競技はどうなるのでしょうか。

 オリンピックでの野球競技は1984年ロサンゼルス大会の公開競技からスタートし、92年のバルセロナ大会から5大会連続で正式種目として実施されましたが、08年の北京大会を最後に、12年のロンドン大会以降、正式種目から外されていました。東京で復活する野球(・ソフトボール競技)ですが、残念ながら24年のパリ大会では行われないことが決まっています。競技自体が盛んではないヨーロッパでの落選についてはある程度想定内で、28年のロサンゼルス大会での競技復活を目指している段階です。

 7イニング制の採用は、オリンピックに向けた改革案(試合時間短縮のため)の1つです。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は野球のオリンピック競技への完全復活を目指し、試合時間短縮などを念頭に置いて7イニング制導入を模索してきました。イニングが短くなれば、1試合で起用される投手数を減らすことが可能で、選手登録枠の縮小につながるため、大会(人員)のスリム化へのアピールにもなるとのこと。

 19年1月にイタリア・ローマで開催されたWBSCの理事会で、WBSC主催の一部国際大会を7イニング制に移行する方針を固めています。20年東京オリンピックでは9イニング制が維持されますが、以降の年齢別の大会から変更していくようです。現状では20年秋開催予定のU-23ワールドカップ(W杯)、21年のU-18W杯が7イニング制となる見込みです。

 なお今回の決定は、WBSC主催の一部大会での「特別ルール」の位置づけで、プロ野球や高校野球など国内の野球、メジャー・リーグへの影響はありません。[文責=編集部]
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