三塁手が三塁ベンチ前(攻撃側)にフラフラと上がったファウルフライを追いかけましたが、ベンチ前でキャッチボールをしていた控え選手と接触したため、この打球を捕球することができませんでした。控え選手は三塁手を避けようと試みましたが、間に合わなかったようです。この場合の判定はどうなりますか？　ファウルでプレー続行でしょうか。

　このケースでは打者にアウトが宣告されます。“守備側の権利優先”について書かれた野球規則6.01(b)には「攻撃側チームのプレーヤー、ベースコーチまたはその他のメンバーは、打球あるいは送球を処理しようとしている野手の守備を妨げないように、必要に応じて自己の占めている場所(ダッグアウト内またはブルペンを含む)を譲らなければならない」とあります。

　さらに続けて「走者を除く攻撃側チームのメンバーが、打球を処理しようとしている野手の守備を妨害した場合は、ボールデッドとなって、打者はアウトとなり、すべての走者は投球時に占有していた塁に戻る」とありますから、質問のケースでは控えの野手が三塁手の守備を明らかに妨げていますので、この時点でボールデッド。ファウルではなく、打者にアウトが宣告されるわけです。

　なお、これが走者に対してプレーが行われている途中に(走者一塁で二塁封殺を狙う場面など)、守備側の選手に対して妨害が行われた場合、アウトとなる対象が変わります。6.01(b)には続きがあって、「走者を除く攻撃側チームのメンバーが、送球を処理しようとしている野手の守備を妨害した場合は、ボールデッドとなって、そのプレイの対象であった走者はアウトとなり、他のすべての走者は妨害発生の瞬間に占有していた塁に戻る」とあり、守備側がアウトにしようと試みていた走者に対してアウトが宣告されます。[文責=編集部]