投球が打者の胸元を襲い、打者はこれを避けましたが、着用していたネックレスがユニフォームの胸元から外に出て、この投球に触れました。この場合は死球となりますか? また、走者が挟殺プレーの際に、野手からのタッチを避けたときに、同じように胸元から出たネックレスに触れた場合はどうでしょう。走者はアウトになるのでしょうか。それともこの場合はタッチは認められませんか? 問のようなケースについて、2020年度の規則改正で、条文が追加され、前者では死球とは認められず、後者では触球(タッチ)とは認められません。
まず死球についてですが、これは“打者が走者となる場合”について書かれた野球規則5.05(b)(2)に
「打者が打とうとしなかった投球に触れた場合」に走者となるとありますが、これまでいわゆる打者の装身具に当たった場合の明確な基準は示されていませんでした。今回の規則改正で野球規則5.05(b)(2)に以下の【原注】が追加されます。
「投球が打者の身に着けているネックレス、ブレスレットなどの装身具にだけ触れた場合には、その打者が投球に触れたものとはみなさない」。これにより、問のようなネックレスに触れただけの投球については死球とは認められなくなります。
一方、走者としてネックレスにタッチされた場合ですが、こちらも“TAG「タッグ」(初球)”について触れた定義76の最終段落として、今回の規則改正で次の一文が追加されます。
「本定義では、プレーヤーが身に着けているネックレス、ブレスレットなどの装身具は、プレーヤーの身体の一部とはみなさない」。つまり、挟殺プレーなどタッチプレーの際に守備側プレーヤーが走者のネックレス等に触れても、触球とは認められません。[文責=編集部]