ストライクゾーンはルールブックではどのように定義されているのでしょうか。選手によって変わるものですか? 基本的なことですが、実はストライクゾーンの定義があいまいな方は多いのではないでしょうか。プロ野球選手でも感覚的に「大体このくらいの範囲だろう」と分かっていても、全員が言葉で説明できるかは微妙なところです。
ストライクゾーンの左右の幅はホームベースの幅ですから分かりやすいですが、問題は高さでしょう。低めはどこまでがストライクで、高めはどうか。もちろん、公認野球規則には説明がありますので、さっそく紹介します。
定義74
「STRIKE ZONE『ストライクゾーン』──打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、膝頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである」 ここでいう打つための姿勢は、審判員の判断にゆだねられることになりますが、ピンと真っすぐに立ったときのものではなく、一般的に構えたときのものであると考えてください。規則で示されているように、ストライクゾーンは一人ひとり異なることになり、例えば、身長が190センチの長身選手と、160センチの小柄な選手ではその分、いくらか高低のゾーンの広さに差が出るということです。
ストライクゾーンを小さく見せるため(相手に投げにくくさせる目的でもある)に極端にかがんだりする選手もいますが、これについては定義74の【注】に
「投球を待つ打者が、いつもと異なった打撃姿勢をとってストライクゾーンを小さく見せるためにかがんだりしても、球審は、これを無視してその打者が投球を打つための姿勢に従って、ストライクゾーンを決定する」とあり、ストライクゾーンのサイズは変わりません。[文責=編集部]