週刊ベースボールONLINE

よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

インフィールドフライを宣告された打球が誰にも触れずにファウルグラウンドで弾み、転がってフェアグラウンドで止まった場合の処置は?

 

真夏の良く晴れた日の試合で、走者一、二塁から打者は三塁手の頭上に高々とフライを打ち上げました。これを見た審判は、すぐに「インフィールドフライ」を宣告。しかし、三塁手は太陽に目がくらみ、ボールを見失って捕球できません。ボールはファウルグラウンドに落ちた後、転々としてフェアグラウンド内で止まりました。この場合、打者はアウトでしょうか、ファウルになるのでしょうか。

 審判員がインフィールドフライを宣告しているのですから、ファウルグラウンドで打球が弾んでも(誰も触れていない場合)、フェアグラウンドに戻って止まれば打者はアウトです。“インフィールドフライ”に関しては野球規則の定義40にこうあります。

「(前略)インフィールドフライと宣告された打球が、最初に(何物にも触れないで)内野に落ちても、ファウルボールとなれば、インフィールドフライとはならない。また、この打球が、最初に(何物にも触れないで)ベースラインの外に落ちても、結局フェアボールとなれば、インフィールドフライとなる」

 問のケースでは三塁手が捕球できなかった打球がファウルグラウンドからフェアグラウンド内に転がったおかげで、結果、打者アウトとなりましたが、これが逆であればファウルとなってしまうので、太陽の位置のケアを怠った三塁手は肝に銘じておくべきでしょう。

 ちなみに、たとえ完全な捕球ができなかったとしても、フェア地域内でボールに触れてさえいれば、定義25(e)に「フェア地域内またはその上方空間で、審判員またはプレーヤーの体に触れたもの」はフェアという規則がありますので、打者アウトは成立することになります。

 なお、打球がベースラインの近くに上がった場合は、『インフィールドフライ・イフ・フェア』と宣告する旨、野球規則に定められています。[文責=編集部]
よく分かる!ルール教室

よく分かる!ルール教室

元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング