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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

当初予定から約3カ月遅れ、120試合制で開幕したプロ野球。従来とは異なる2020年用の特別ルールとは?【後編】

 

当初予定の3月20日から約3カ月遅れ、120試合制で開幕するプロ野球ですが、従来とは異なる2020年用(1年限定)の特別ルールが用いられると聞きました。どのようなルールですか?

 前号の続きです。前号では(1)一軍の登録人数が従来の29人から31人へ変更、(2)試合に出場できるベンチ入り人数が25人から26人へ拡大、(3)延長は10回の1イニングのみに縮小、(4)新戦力を獲得できる期限がこれまでの7月31日から9月30日へ延長、(5)外国人枠が一軍に登録可能な外国人を4人から5人に拡大の、5項目について取り上げました。

 (5)についてですが補足が必要で、助っ人5枠の運用方法には一部制限が設けられています。一軍の試合に出場可能な外国人は、通常、野手もしくは投手として登録できるのは3人以内ですが、今季の特例として投手4野手1、野手4投手1が認められました(野手5投手0とその逆は×)。ただし、新ルールによって不公平感が生じることを避けるため、「投手4野手1」「投手1野手4」の内訳を選択したチームは、シーズン中に「投手3野手2」「投手2野手3」のように運用の変更ができない決まりとなりました。例えば、「野手4投手1」の内訳を選択したチームが、その後に一方を2人に増やす際には(一軍登録)4人制とする必要があり、再度5人制に戻す場合は、「野手4投手1」の内訳に限定されます。なお、4人制であればこれまでどおり、「3:1」「2:2」「1:3」の運用が可能です。

 なお、FA資格に関してですが、従来は一軍に145日登録されれば1シーズンとして計算されましたが、今季は143試合から120試合に短縮され、登録可能日数も例年の約190日から約50日減るため、緩和策がNPBと日本プロ野球選手会の間で話し合われてきました。選手会は登録可能日数を、NPB側は試合数を基準にすべきだとしていましたが、双方が歩み寄り、登録日数を1.3倍して加算することで決まりました。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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