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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

ハーフスイングの規定とは?打者サイドから球審に対して塁審へのスイングの確認はできる?

 

捕手が打者のバットを止めたスイング(ハーフスイング)に対して、球審に塁審へ確認を求めるシーンをプロ野球中継などでよく目にします。そもそもハーフスイングの規定はありますか? また、逆に打者サイドから球審に塁審へスイングの確認を求めることはできますか?

 バッターが打ちにいって途中で止める「ハーフスイング」については、野球規則に明確な定義はなく、「どこまでがスイングとなるか」が問題となることが多々あります。この点に関しては、判断は審判員に委ねられることとなっており、審判がスイングしたと思えば「ストライク」、振ってはいないと判断すれば「ボール」となるわけです。

 このようなケースで球審がスイングと判断すれば、空振りが確定してストライクとなります。しかし、球審がボールと判定した場合、守備側の監督または捕手にのみ、球審に対してスイングかどうかの判定を塁審に確認するように求めることができます。“審判の裁定”について触れた野球規則8.02(2)の【原注2】には次のように定められています。

「ハーフスイングの際、球審がストライクと宣告しなかったときだけ、監督または捕手は、振ったか否かについて、塁審のアドバイスを受けるように球審に要請することができる。球審は、このような要請があれば、塁審に裁定を一任しなければならない。塁審は、球審からのリクエストがあれば、ただちに裁定を下す。このようにして下された塁審の裁定は最終のものである」

 冒頭で触れられているように、あくまで塁審に確認するように求められるのは「球審がストライクと宣告しなかったときだけ」で、これを求めることができるのは「監督または捕手」に限られます。質問のように、ハーフスイングで球審によってストライクと判定された打者が、振っていないことを証明するために塁審への確認を求めることはできない、ということです。まれに見かけますが、球審は認めませんね。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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