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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

試合途中にある選手が誤って別の選手のユニフォームを着用して出場。ルール上、問題はない?

 

7月24日に開幕したメジャー・リーグ(MLB)で、レッドソックスの先発で背番号「17」のネイサン・イオバルディが試合途中、背番号「7」を着用してマウンドに上がり、1イニングを抑えて、次のイニングからは再び「17」に戻るという珍事を目にしました。特に審判に注意されることもなく試合は進んだのですが、ルール上、問題はないのでしょうか。

 非常に珍しいシーンで、現地で見ていても見過ごした方も多かったのではないでしょうか。何せ、ユニフォームを間違えたイオバルディ本人が気づいていなかったそうなのですから。

 問題のシーンは3回表、オリオールズの攻撃のときに起こります。2回をゼロに抑えていたイオバルディが3回のマウンドに立つと、その背中には本来の「17」ではなく、捕手のクリスチャン・バスケスの「7」が。背番号「7」バッテリーが誕生したのですが、特に問題にされることなくこの回を無失点に抑えると、4回には再び「17」を背負ったイオバルディが登場し、このまま6回1失点の好投で今季初勝利を挙げています。

 試合後、イオバルディが事情を説明したようで、2回終了時に汗をかいたために着替えをした際、バッティングケージにかけてあったシャツの「7」の数字を見て、自分のユニフォームだと誤って着用してしまったのだとか。

 ちなみに、野球規則にはこれらに関する記載はなく、3.03(a)に「同一チームの各プレーヤーは、同色、同形、同意匠のユニフォームを着用し、そのユニフォームには6インチ(15.2センチ)以上の大きさの背番号をつけなければならない」とある程度です(※ただし、各リーグ、連盟の規約に制限がある場合もあります)。

 今回、最高峰のMLBの舞台ではそのままプレーが続けられ、最後は笑い話になっていますが、日本ならば審判員やチームメートから指摘を受けて、正しいユニフォームに着替えてから、試合が再開されるのではないでしょうか。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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