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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

センバツ高校野球の代替イベントである交流試合で選手が白のスパイクを着用。これまでは黒一色だったがルールが変わった?

 

8月10日から17日の間に甲子園で行われた、センバツ高校野球の中止にともなう交流試合で、選手たちが白いスパイクを履いていました。これまでは黒一色で、ルールによって定められていると聞いた記憶があるのですが、ルール変更があったのでしょうか。

 質問にあるように、従来のルールで認められていたスパイクの色は黒色の一色だけで、高校野球で使用できる道具については日本高野連が定めた『高校野球用具の使用制限』に「スパイクの表面は黒一色とし、エナメルは使用できない。底は黒をベースにシルバー色系かゴールト色系のどちらかとし、その面積は50%を超えてはならない。(中略)また、甲被にはラインを両サイドにそれぞれ1箇所、本体の黒と同色で入れることができる。足首防護目的のハイカットスパイクは使用しても構わない」と記されていました。

しかし、近年は夏の猛暑が続いていることから、2019年5月24日に熱中症対策として20年度からはホワイトカラースパイクも使用可とすることが決定しています。今年の3月からの解禁でしたが、センバツが中止となり、夏の選手権も行われなかったことから、交流試合まで一般的に目に触れることがなかったのです。『高校野球用具の使用制限』については次のように変更がされています。

「表面カラーはブラックまたはホワイト一色とする。表面がブラックの場合、エナメルおよび光沢のある素材は使用できない。ただし、天然皮革素材の自然な光沢感は可とする。表面がホワイトの場合、履口カラーは防汚のためブラック・シルバーの使用を可とする(以下略)」

 ちなみに、白色スパイクと黒色スパイクとでは気温32度で履いた場合、表面温度に約10度の違いがあることが分かっており、今後は高校野球界に白色スパイクが浸透していくことが予想されます。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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