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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

あらためてコリジョンルールとは?

 

10月11日の中日巨人(ナゴヤドーム)の試合で、ホームでのクロスプレーの際に、「巨人の炭谷銀仁朗選手がコリジョンルール適用による警告が与えられた」と言うニュースを目にしました。警告は巨人の原辰徳監督がセーフ判定をめぐる『リクエスト』を求め、その後のようですが、あらためてコリジョンルールについて教えてください。

 まず、実際のプレーを振り返ってみましょう。2点ビハインドの8回二死二塁の中日の攻撃時のことです。ビシエド選手の左前打で、二塁走者の遠藤一星選手が三塁を蹴ってホームへ突入しました。外野からの返球で本塁上でクロスプレーとなり、タイミング的には微妙でしたが、セーフ判定に。ここで巨人の原辰徳監督が『リクエスト』を要求しましたが、リプレイ検証の結果、判定は変わらずセーフ、さらにクロスプレーの際にキャッチャーの炭谷銀仁朗選手がホームベースをふさいでいたとして警告が与えられました。

 警告の根拠となっているのがコリジョンルールで、本塁での衝突(=コリジョン)を防止するための規則です。本塁での過激な接触プレーによる負傷者が後を絶たなかったことから、まず2014年にMLBで採用され、NPBにおいても16年より採用されました。なお、アメリカでは、この規則が制定されるきっかけとなった負傷した選手の名前から、「ポージー・ルール」と呼ばれています。

 野球規則6.01(I)に“本塁での衝突プレイ”について定められており、要約すると、ここでは大きく

(1)「得点しようとしている走者が、避けられたにもかかわらず捕手や野手に接触しようとして、走路を外れてはならない」

(2)「捕手がボールを持たずに走者の走路をブロックすることはできない」

と定められています。

 審判員が(1)に該当すると判断した場合は、走者にアウトを、(2)の場合は走者にセーフを宣告します。また、捕手が滑り込んでくる走者に触球する際も、不必要かつ激しい接触を避けるよう、明記されています。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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