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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

2020年の春の高校野球から導入された「投球制限」と「申告敬遠」などについてその詳細とは? また本格導入はいつ?【前編】

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、センバツ高校野球が夏の交流試合となり、夏の甲子園大会は中止になりました。これらの影響で、2020年度の春から導入された「投球制限」と「申告敬遠」などの高校野球の新たな取り組み、ルールがあいまいです。その詳細を教えてください。[前編]

 当初の予定では2020年度春から3年間は「試行期間」とされていて、この間にさまざまなデータをとり、問題があれば改善を施し、23年度よりでルール化される方針となっています。試行期間とはいえ、主に「投球制限」が決まった際は大きな話題となりましたが、新型コロナウイルス感染拡大による各種公式戦の中止などで取り上げられる機会が減ってしまったことは確かで、残念です。その中身について、説明しましょう。

 まず「投球制限」ですが、対象となる試合は春夏の甲子園や地方大会の全公式戦とされており、1人の投手の投球数が大会期間中の1週間で500球に達した場合(登板中に達した場合は打者との対戦が完了するまで)、それ以上投げることが認められません。試合前のメンバー表交換時に、大会本部が両チームに過去6日間の試合で登板した投手の投球数が記された資料を配布し、各チームは所属の投手の投球数を確認、試合に臨むこととなります。

 グラウンド内での運用は、審判員にゆだねられることとなっており、例えば、登板中の投手の1週間の総投球数が450球前後に到達すると、幹事審判員が球審にその旨、通達をし、500球に到達した場合、球審がその打者との対戦が完了したのち、守備側ベンチに投手交代を促すこととなっています。降板した投手は別のポジションに就くことに関して制限はありませんが、当然、再登板はできません。試合後に公式記録を用いて、再び両チームが各投手の投球数を確認することとなります。

【次回に続く】
[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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