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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

12月16日に行われたプロアマ合同の日本野球規則委員会で決まった2021年度の規則の変更ポイントは?【前編】

 

12月16日に2021年度の規則改正を話し合う、プロアマ合同の日本野球規則委員会が開かれたと聞きました。MLBでは20年度から導入されている「ワンポイント禁止」が日本でも採用されるのではないか、と以前に話題となっていましたが、どうなったのでしょうか。また、これとは別に、どのようなことが決まったのですか。[前編]

 まず質問者の方が最も知りたいであろう、いわゆる「ワンポイント禁止」についてですが、21年度、日本での採用は見送られることになりました。マウンドに立った場合、投手は打者3人に対して投球するか、そのイニングを終了するまで投げなければならない「ワンポイント禁止」ルールですが、MLBでの運用をこの1シーズン見守ってきた結果、「日本での採用は現時点では時期尚早」と判断が下されたようです。

 そもそも新型コロナウイルス感染拡大の影響で、MLBはレギュラーシーズンが通常の半分以下の60試合に短縮され、サンプルが集まりづらかったことも一因にあるでしょう。また、その少ないサンプルでも投手交代の頻度を減らすことで試合時間短縮を目的とした「ワンポイント禁止」のはずが、逆に試合時間が長くなってしまっているデータもあるようで、MLBの現場でもあまり評判が良くなかったことが委員会でも話題となりました。

 ただ、日本国内では21年度の採用が見送りとなりましたが、問題は国際大会ではどうか? ということです。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は今後の国際大会での「ワンポイント禁止」のルール採用について、12月16日時点では明らかにしておらず、同委員会でも将来的な「ワンポイント禁止」の採用の可否は、WBSCの判断が大事なポイントになる旨、話し合われていて、今後も注視していくとのことです。

 このほかに話し合われた改正点については、次回で掲載します。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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