2020年11月30日に行われた、第91回都市対抗野球大会2回戦のヤマハ対NTT東日本でのことです。1回表にヤマハは無死一塁から二番の河野拓郎選手がセンター前に落ちる打球を放ちました。このとき、一塁走者の秋利雄佑選手(※三菱重工名古屋からの補強選手)が二塁でフォースアウトとなりましたが、河野選手には安打が記録されないとのこと。どうして安打は記録されないのでしょうか。 今回も記録に関する質問です。“安打”に関しては野球規則9.05に定められていますが(ここでは割愛します)、同規則の(b)には“安打を記録しない場合”についても触れられており、この(1)に
「打者の打球で、走者が封殺(フォースアウト)されるか、または野手の失策によって封殺をまぬがれたような場合」は安打を記録しない旨、記載があります。質問のケースを振り返ってみると、打者のセンター前への打球で一塁走者が二塁でフォースアウトとなっているので、安打は記録されないのです。
ほかにも9.05(b)には“安打が記録されない場合”について触れられていますので、要約してお伝えします。
(2)打者が明らかに安打と思われる当たりを打ったにもかかわらず、進塁を義務付けられた走者が次の塁の触塁を誤ってアピールによってアウトになったとき。 (3)打球を扱った投手、捕手、内野手が先行走者をアウトにした場合、あるいは普通の守備でならアウトにできたにもかかわらず、失策のためにアウトにできなかった場合。 (4)打者が一塁でアウトになるだろうと記録員が判断したとき、打球を扱った野手が先行走者をアウトにしようとして行った送球または触球行為などが不成功に終わった場合。 (5)打球を処理しようとする野手を妨害し、走者がアウトを宣告された場合。 なお、(5)のケースについては記録員の判断によっては打者に安打が与えられる場合もあります。[文責=編集部]