将来的にMLBで導入することを目指して、今季、マイナー・リーグでベースのサイズが変更されたり、守備シフトが禁止されるというニュースを耳にしました。具体的にはどのような内容なのでしょうか。[中編] 現地時間の3月11日にMLBが発表したリリースによると、将来的にMLB公式戦で導入すべく、今季のマイナー・リーグ各4カテゴリー(3A、2A、ハイA、ローA)で、試験的にさまざまなルール(変更)が導入されるとのこと。前号(4月19日号)では3Aで導入されるベースのサイズの変更、2Aで順次導入される守備シフトの制限について紹介しました。
1Aでは実験的に数多くの新ルールが試されます。1つはけん制球にまつわるものです。ハイAでは
「投手はけん制球を投げる前に、必ずプレートから軸足を外すこと」が求められています。これは左投手が一塁にけん制球を投げる際も同様です。ローAではこれに加えて「1人の打者に対してプレートから足を外すか、けん制球を投げることを2回までに制限」されます。
もし3回目を行った場合、
「セーフだった場合にはボーク」が宣告されます。これは試合時間削減と盗塁機会、盗塁の成功数の増加を目的にしているものですが、2回けん制をした後、捕手とのサインが合わず、プレートを外した場合にボークとされるのかどうかまでは現状明確になっていません。
左投手の一塁けん制については、日本が国際大会を戦う場合、特に中南米の投手などが一塁方向に向かって真っすぐに踏み出さず、瞬時に「投球だ」と判断した日本チームの走者が逆を突かれたり、跳び出したりしてアウトにされるケースが少なからずありました。日本国内では厳しく、国際大会ではややルーズなグレーゾーンをなくす意味では、走者にとっては公正に働くルール変更だと考えられます。次号に続く。[文責=編集部]