将来的にMLBで導入することを目指して、今季、マイナー・リーグでベースのサイズが変更されたり、守備シフトが禁止されるというニュースを耳にしました。具体的にはどのような内容なのでしょうか。 マイナー・リーグの試験的なルール変更について、3回(4月19日号、4月26日号)にわたって紹介していますが、最終回です。なお、このルール変更は現地時間の3月11日にMLBがリリースを発表したもので、将来的にMLB公式戦で導入すべく、今季のマイナー・リーグ各4カテゴリーで試験的にさまざまなルール(変更)が導入されるようです。
前回までは3Aで導入されるベースのサイズの変更、2Aで導入される守備シフトの制限、1Aで導入されるけん制球に関するルール変更について解説しました。
ローAではこれ以外にも、地区別にそのほかのルール変更が導入される見込みです。良くも悪くも興味深い試みが行われるのは、サウスイースト地区で、自動判定システム(つまりロボット審判)が導入され、ボール、ストライクの判定を行います。自動判定は弾道測定等に利用されているレーダーシステム『トラックマン(Track Man)』の技術を用いてすでに米・独立リーグで行われていますが、ついにMLBでも本格的に動き出した形です。
ただし、自動判定で扱われるルール上のストライクゾーンと、これまで人がさばいてきた実際のゾーンとにズレがあること、また落ちるボールなどの判定に関して独立リーグでは不満の声が挙げられており、すでに改善すべき点は多そうです。
また、ウエスト地区では、3つのタイマーを設置し、投球間、イニング交代時、投手交代時の時間をこれまで以上に厳格に制限するとのこと。試合時間の短縮が期待されていますが、投球間の“間(ま)”を楽しむのも野球であることは常々言われており、今後、MLBサイドがどのような判断を下すのか、注目です。 [文責=編集部]