週刊ベースボールONLINE

よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

ロッテの試合で珍プレーが続出。どのようなルールを用いてそれぞれの事態を解決した?【その1】

 

4月末からゴールデンウイークにかけて、ロッテの試合で珍プレーが4件立て続けに起こったとニュースで目にしました。どのようなことでしょうか。また、それぞれどのようなルールを用いて解決したのでしょうか。[その1]

 まず取り上げるのは4月23日にZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ-ソフトバンク戦。珍しいプレーが飛び出しました。7回表二死のソフトバンクの攻撃で、ロッテのハーマン投手が甲斐拓也選手に対し、カウント1ボール2ストライクとしたところで、「投球間隔が規定の15秒を超えた」とし、ペナルティーでボールが宣告されました。

 野球規則では“投手の遅延行為”として5.07(c)に「塁に走者がいないとき、投手はボールを受けた後12秒以内に打者に投球しなければならない。投手がこの規則に違反して試合を長引かせた場合には、球審はボールを宣告する。12秒の計測は、投手がボールを所持し、打者がバッタースボックスに入り、投手に面したときから始まり、ボールが投手の手から離れたときに終わる。この規則は、無用な試合引き延ばし行為をやめさせ、試合をスピードアップするために定められたものである。したがって、審判員は次のことを強調し、それにもかかわらず、投手の明らかな引き延ばし行為があったときには、遅滞なく球審はボールを宣告する」と定められています。

 プロ野球では以前はこれらの規則を厳格に適用してきませんでしたが、その後、環境省が推進する地球温暖化防止策に賛同。照明節約をはじめとする試合開催におけるエネルギー削減に努めるなどの見地から、「15秒ルール」という独自の運用を定め、09年から導入されました。

 パ・リーグではアグリーメントに「15秒」と規定されていますが、実際に適用されるのは珍しく、ハーマンはセ・パ両リーグ合わせて4例目でした。次回に続く。 [文責=編集部]
よく分かる!ルール教室

よく分かる!ルール教室

元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング