6月20日の阪神-巨人戦(甲子園)で、1度、巨人の投手交代が断られた、というニュースを見ました。球審の勘違いで、結局認められたということですが、どういうことでしょうか。 まずは状況から説明しましょう。阪神が1点を追う7回裏二死一、二塁の場面で、二番・
中野拓夢選手の代打に
北條史也選手が打席に入ります。マウンドは
高梨雄平選手です。3球目が暴投となり、二、三塁に好機が広がった4球目の空振りの直後でした。カウント2ボール2ストライクになったところで、巨人ベンチから
原辰徳監督と
桑田真澄投手チーフコーチ補佐が球審のもとへ。このとき、原監督は投手を交代しようとしましたが、認められず。3人が話をしたあと、球審はほか3人の塁審を集めて協議を始めました。
この協議のあと、巨人の投手交代が認められ、
鍵谷陽平にスイッチ。1球で空振り三振に仕留め、このイニングは終了しましたが、球場では特にアナウンスがなく、スタンドは一時騒然としていました。
試合後、責任審判員の丹波幸一二塁塁審が「最初にマウンドに桑田コーチが行ったのが北條のときと勘違いして(最初は投手交代を球審が)断った。実際は(代打が告げられる前の)打者・中野のときなので交代を認めました」と説明しています。
プレーヤーの交代について触れた野球規則5.10には“監督・コーチがマウンドに行ける回数”も定められており、(l)の【注2】に
「監督(またはコーチ)が投手のもとへ行った後、ファウルラインを越えて引き上げたら、その投手は、そのときの打者がアウトになるか、走者になるか、または攻守交代になるまで投球した後でなければ退くことはできない。ただし、その打者に代打者が出た場合は、この限りではない」とあります。
今回のケースでは桑田コーチが最初にマウンドに行ったのが、打者・中野に対して代打・北條が告げられる前か、あとかで勘違いがあった、ということです。[文責=編集部]