今夏の高校野球は雨にたたられて、雨天順延が続いています。また、8月17日に行われた1回戦の大阪桐蔭高と東海大菅生高(西東京)の試合は、雨の中で強行され、8回途中で降雨コールドゲームとなり、大阪桐蔭高が勝利を飾りました。そもそも野球の試合は何回まで終了していれば正式試合となるのですか。 公認野球規則では7.01(a)に
「正式試合は通常9イニングから成る」としていますが、これには例外があって、
同(a)(1)
「ホームチームが9回裏の攻撃の全部、または一部を必要としない場合」と、
同(a)(2)
「球審がコールドゲームを宣告した場合」がそれにあたります。
前者は9回裏に攻撃を迎える前に後攻チームがリードしている展開、または9回裏の途中にサヨナラ勝ちとした場合で、後者については同(c)に
「球審によって打ち切りを命じられた試合(コールドゲーム)が次に該当する場合、正式試合となる」として、以下のように定められています。
(1)
「5回の表裏を完了した後に、打ち切りを命じられた試合(両チームの得点の数には関係がない)」 (2)
「5回表を終わった際、または5回裏の途中で打ち切りを命じられた試合で、ホームチームの得点がビジティングチームの得点より多いとき」 (3)
「5回裏の攻撃中にホームチームが得点して、ビジティングチームの得点と等しくなっているときに打ち切りを命じられた試合」 【注】として
「これらの規定は所属する団体の規定に従う」とあり、日本のプロ野球は5回で成立。高校野球は特別規則で「5回」を「7回」として適用しています。今回のように甲子園では降雨、雷などの要因で、正式試合成立以降の続行が不可能になった場合にコールドゲームとなるため、7回表裏が完了していた大阪桐蔭高と東海大菅生高の試合は、降雨コールドとして成立することとなりました。
5回10点差などの点差によるコールドについてはここでは触れませんが、これも各団体の規定により定められたものです。[文責=編集部]