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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

史上初めて女子高校野球が甲子園球場で開催(決勝のみ)。ルールに異なる点はある?

 

8月23日、史上初めて全国高校女子硬式野球選手権大会(第25回)が甲子園球場で開催されました。神戸弘陵高が創部3年目で初優勝を目指す高知中央高を4対0(5年ぶり2度目の優勝)で破った決勝の1試合のみでしたが、女子硬式野球はルールなど男子と異なる点があるのでしょうか。

 基本的に、女子硬式野球も公認野球規則に従い行われていますが、男子も女子も、大人も子どもも、所属する団体、連盟によって特別な規則があるものです。今回の全国高校女子硬式野球選手権大会を主催する全国高等学校女子硬式野球連盟(JHGBF)も同様で、ここでは同じく甲子園で開催されていた男子の硬式野球と異なるルールについて触れていきましょう。

 まず、大きな違いは指名打者(DH)制を採用している点でしょう。男子の高校野球では採用されておらず、投手も打席に立ちますが、女子はその必要がありません。

 試合は7イニング制で、5回を終えて成立となります。男子は9イニング制で行われ、甲子園大会では7回を終えて試合成立となります。

 また、決勝は延長10回からタイブレーク(無死走者一、二塁からスタート)が適用されます。男子も延長10回からタイブレークですが、女子の場合は7イニング制ですから、8、9回は通常どおりの攻防が行われる、ということです。余談ですが、男子は主要大会の決勝はタイブレークが行われてきませんでしたが(※甲子園大会などでは15回まで行い、決着がつかない場合は引き分け再試合)、故障防止等の観点から今年(2021年)のセンバツより導入が決まっています。

 話が逸れましたが、ほかにはベンチ入りは25人まで(男子は18人)。背番号は1〜99番(男子は1〜18番)まで使用できます。用具に関しては男子と同規格の硬式球と金属バットを使用します。

 なお、女子高校野球に地区大会はなく、今大会はJHGBFに加盟する43校中で40校が出場(連合1チーム)し、その頂点に立ったのが神戸弘陵高でした。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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