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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

無死満塁で打者は内野ゴロ併殺打。この間に三塁走者がホームにかえった場合、打者に打点は記録されない?

 

打点の記録についての質問です。無死満塁から打者が二塁へゴロを打ちました。4-6-3の併殺となりましたが、この間に三塁走者はホームにかえって、攻撃側チームに1点が加わりました。内野ゴロの間の得点は、打者に打点がつくと聞いたことがあるのですが、その打者にこのプレーで打点が記録されていません。どういうことですか。

 まず、“打点”について定めた野球規則9.04を見てみましょう。「打点の記録は、本条規定により、打者の打撃が得点の原因となった場合に、その打者に与えられる」とし、

(a)に「次の場合には打点を記録する。(1)打者が、失策によらず、安打、犠牲バント、犠牲フライ、または内野のアウトおよび野手選択によって走者を得点させた場合(中略)。(2)満塁で、四球、死球、妨害(インターフェア)および走塁妨害(オブストラクション)によって打者が走者となったために、走者に本塁が与えられて得点が記録された場合。(3)0アウトまたは1アウトで、打者の打球に対して失策があったとき三塁走者が得点した場合は、その失策がなくても、走者は得点できたかどうかを確かめ、失策がなくても得点できたと認めれば、打者には打点を与える」と記載があります。

 これを見ると「内野のアウト」とあるので問のケースでも打点は記録されるように思いますが、実は同規則の(b)に「次の場合には打点を記録しない」の例外規定があり、そこには(1)として

「打者がフォースダブルプレイまたはリバースフォースダブルプレイとなったゴロを打って走者を本塁に迎え入れた場合」と記されています。まさに質問の状況のプレーで、無死満塁からのフォースダブルプレイが成立したため、この打者には打点が記録されませんでした。ちなみに、このケースで守備側が併殺を試みて第1アウトを取った後、第2アウトを狙う過程で野手に失策があり、第2アウトが成立しない場合でも、打者に打点は記録されません。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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