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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

ナイトゲームでプレーが行われている最中にライトなどの故障が発生した場合、どのような裁定が下される?

 

ナイトゲームでプレーが行われている最中にライト(照明)などの故障が発生した場合、どうなるのでしょうか。例えば、内野ゴロでショートの選手がボールを捕球し、送球をしようとモーションを起こしていたときなどはどうでしょう。

 日本では希なケースだとは思いますが、問のような場面についても野球規則ではしっかりと定められています。“タイムの宣告”について触れた5.12(b)(2)に「ライトの故障のために、審判員がプレイを見るのに困難となるか不可能となった場合」にタイムが宣告される旨、明記があります。

 またこの項には【注1】〜【注3】まで詳細が書かれており、例えば【注1】には「プレイの進行中にライトの故障が生じたとき、その瞬間完了されていないプレイは無効とする」とありますので、質問の「ショートの選手が〜」のケースは無効となります。また【注1】には続きがあって、「ダブルプレイおよびトリプルプレイが行われている間に、ライトの故障が生じた場合には、たとえ最初のアウトが成立した後であっても、そのプレイは完成されたものとはみなされない」ことも明記されています。ちなみに、その後、ライトが復旧した場合、試合はライトの故障のために無効とされたプレイが始まる前の状態から再開されます。

 なお、四死球やボーク、そのほかの妨害行為で走者が安全に進塁できる状態となったときに、ライトの故障が発生した場合には、仮に各走者の走塁が完了していなくても、そのプレイは有効となる旨、【注2】に明記されています。また、ライトの故障がごく一部で、その中でプレイが行われている際は、すぐにタイムとするか、ボールインプレイの状態に置かれたままとなるかはその時々で審判員の判断にゆだねられることになっています【注3】。

 ライトの故障により試合が中断された場合の特別措置については、各リーグで独自に設けて構わないこととなっています。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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