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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

CSや日本シリーズに21年特有のルール変更はある?

 

クライマックス・シリーズ(CS)が開催中です。通常のシーズンと何かルールに変更があるのでしょうか。日本シリーズとともに、今季の変更点を教えてください。

 CSですが、今季の特徴として、セ・パともに、レギュラーシーズンと同様に延長回が行われないことが決まっています。9回を終わってもなお同点の場合には、引き分けとされ、再試合は行われません。また、各ステージの決着(ステージの勝ち上がり)が確定した時点でコールドゲームとなります。例えば、後攻チームがステージの勝ち上がりに王手で迎えた試合で、9回表の先行チームの攻撃が同点のまま終了した場合、9回裏の攻撃は行われません。また、後攻チームが9回裏の攻撃をビハインドで迎え、攻撃中に同点に追いついた場合、その時点でコールドゲームが成立します。

 次に日本シリーズですが、最大の特徴が“タイブレーク”の導入でしょう。日本シリーズについては従来どおりに第7戦までは延長12回、第8戦以降は回数無制限で行われます。野球協約の日本シリーズ優勝規定には「一方のチームが4勝すること」とあり、原則、先に4勝したチームの優勝となりますが、ただ、日程がずれ込んだ場合は11月30日時点の勝敗で日本一を決定します。というのも、選手の参稼報酬期間が11月いっぱいと定められているからです。そのため、11月29日を終えた時点で優勝チームが決定しない場合のみ、11月30日の延長戦規定が次のように変更されます。

 (1)両チームの勝利数が並んだ場合に行う11月30日の試合は、延長無制限。

 (2)両チームの勝利数の差が1の場合に行う11月30日の試合は、延長12回で打ち切りとし、この結果、勝利数が並んだ場合には、タイブレーク方式の対戦により優勝チームを決定する。

 画期的なのは「延長タイブレーク」ではなく、新たなメンバーと打順で無死一、二塁から攻撃する特別ルールとなることで、回数無制限で決着をつけます。なお、プロ野球でタイブレークが実施されれば、史上初です。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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