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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

2ストライクと追い込まれて、なお打者が3バントを試みるも、打ち上げて捕邪飛に。この場合、打者に三振は記録される?

 

記録についての質問です。一死一塁から打者はバントの構えです。しかし、初球、2球目とファウルにして成功させることができず、3球目にスリーバントを試みましたが、これも捕手の後方に小フライとなりました。このとき、捕手はこのフライをファウルエリアで捕球したのですが、この場合、スリーバント失敗で打者と投手に三振は記録されるのでしょうか。

 このケースでは、捕手に刺殺が記録され、打者ならびに投手に三振は記録されません。仮に捕手がこのフライを追わず、ファウルグラウンドで打球が弾み、ファウルとなっていれば、打者そして投手にスリーバント失敗により三振が記録されていました。“三振”については野球規則9.15(a)(4)に「次の場合に三振を記録する」として、以下のように定められています。

「2ストライク後、打者がバントを企ててファウルボールとなった場合。ただし、そのバントがファウル飛球として野手に捕らえられた場合には、三振と記録せず、そのファウル飛球を捕らえた野手に刺殺を記録する」

 質問のケースでは捕手がフライを捕球しているので、捕手に刺殺が記録されていますが、一塁手が捕球すれば一塁手に、三塁手が捕球すれば、三塁手に刺殺が記録されることとなります。

 ただ、カウントを把握していて、きちんとルールを理解していれば、2ストライクからのスリーバントでファウルエリアに上がったフライを追う選手は、ほとんどいないのではないでしょうか。ファウル地域に打球が弾んだ瞬間、スリーバント失敗で打者は三振。しかも、この時点でボールデッドです。しかし、野手がこのフライをダイレクトキャッチすれば、インプレーですから、走者にタッチアップをする機会を与えてしまうことになりかねません。後方に飛び込んで捕球を試みたりした場合、リスクは増えますね。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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