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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

残塁とは何のこと?どのようなケースで記録される?

 

野球中継を見ていると、イニング終了のたびに「残塁」という言葉を耳にします。残塁とは何ですか。また、どのようなときに記録されるものなのですか。

 残塁(Left on Base =LOB)は、各イニングが終了した際(サヨナラゲームなどの特殊なケースを除く)に、アウトにならずに残っていた走者の数のことで、野球・ソフトボールの記録の1つです。野球規則には“公式記録の報告書”について触れた9.02(g)で「各チームの残塁(レフトオンベース……LOB)の数」として「残塁数とは、走者となって、得点もせず、アウトにもならず、塁に残った全走者の数をいい、たとえば、内野ゴロを打って他の走者をアウトにしたために第3アウトが成立し、一塁に達するまでにその回が終わったときの打者走者を含む」と記載があります。

 例を挙げると、二死満塁から打者が三塁ゴロを放ち、三塁手が三塁ベースを踏んで第3アウトを取った場合、アウトにされた二塁走者を除く三塁走者、一塁走者、打者走者の「3」が残塁ということになります。前述した野球規則にも「第3アウトが成立し、一塁に達するまでにその回が終わったときの打者走者を含む」と書いてあるとおり、アウトにされなかった打者走者も残塁には含まれるのですが、この部分は「含まれない」と誤って理解している人が多いようです。

 チームの打席数は、そのチームの得点数・残塁数と相手チームの刺殺数を足した数に等しく、つまり打席を消化したすべての打者には、得点・残塁・(相手側の)刺殺のいずれかが記録されているということになります。

 日本では2014年8月16日の西武日本ハム戦(西武ドーム)、15年6月23日の広島阪神戦(長野)で21残塁を記録しており、いずれも延長戦での記録ですが、これがプロ野球最多です。なお、9イニングでは、19残塁が最多記録として残っています。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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