二死走者三塁で打者は三遊間深くにゴロを打ち、一塁を駆け抜けてセーフの判定です。ところが、打者走者がただちに帰塁をしなかったため、アウトを宣告されました。このとき、三塁走者はホームに達していましたが、この場合、得点は認められますか。

　まず、このケースの打者走者のアウトに関して知っておく必要があります。野球規則5.09(b)(11)には「走者が一塁をオーバーランまたはオーバースライドした後、ただちに一塁に帰塁しなかった場合」に走者はアウトとなる旨、定められています。

　また、「一塁をオーバーランまたはオーバースライドした走者が二塁へ進もうとする行為を示せば、触球されればアウトとなる。また、一塁をオーバーランまたはオーバースライドした走者が、ただちに帰塁しないでダッグアウトまたは自己の守備位置に行こうとした場合も、野手が走者または塁に触球して、アピールすればアウトとなる」とあります。

　つまり、一塁に生きた打者走者が、問いのようなケースでアウトになる可能性は十分にあるということです。

　そしてこのとき、ホームに達した三塁走者の得点が認められるか、否かですが、これは、認められます。

　同規則の【原注】には「2アウト後、一塁に触れてオーバーランしたが、審判員によって“セーフ”の宣告を受けた打者走者は(中略)、“一塁に達した”ことになり“ただちに”一塁に帰塁しなかったために第3アウトになっても、このプレイ中にアウトよりも先に本塁に達していた走者は、得点として認められる」と明記されています。

　単純に、打者走者は、一度は一塁に生きたわけですから、その後のプレーで第3アウトの宣告の前に本塁に達しているので当然ですね。また、打者走者は一塁に達したあと、少しでも二塁をうかがうそぶりを見せてしまうと、帰塁途中に触球されればアウトとなるので、注意が必要です。[文責=編集部]