塁打(長打)の記録に関する質問です。先日、高校野球の地方大会を見ていたら、打者が左中間を破る打球を放ち、二塁へスライディングで滑り込みます。しかし、触塁後、勢い余って二塁ベースを乗り越えて離れてしまい、ここで外野からの返球を受けた二塁手にタッチされてアウトに。翌日、この公式記録を見てみると、二塁打ではなく、単打が記録されていました。二塁を触ったのは打者走者のほうが先だったのに、なぜこのような記録になるのですか。 “単打・長打の決定”については野球規則9.06(c)に、次のように定められています。
「長打を放った打者が、二塁または三塁を得ようとしてスライディングを試みたときには、進んだ最後の塁を確保して、初めて二塁打または三塁打と記録する。打者走者がオーバースライドして塁に戻る前に触球アウトになった場合には、打者走者が安全に確保した塁と同数の塁打を与える。すなわち、打者走者が二塁をオーバースライドして触球アウトになれば単打を与え、三塁をオーバースライドして触球アウトになれば二塁打と記録する」 つまり、問のケースでは打者走者がオーバースライド(※スライディングによって、ベースを越えること)してタッチアウトにされているため、記録員は「二塁を確保していない」と判断したということです。
なお、打者走者が二塁または三塁をオーバーラン(※触塁後、走ったり、歩いたりしてスタンディングでベースを越えること)したあと、その塁に戻ろうとしている間に触球されてアウトになった場合は、打者走者が最後に触れた塁、すなわち二塁を踏んで通過後なら二塁打、三塁を踏んで通過後ならば三塁打が記録されることとなります。[文責=編集部]