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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

2022年度の規則改正の内容はどのようなもの? 大きな変更はあった? 【前編】

 

間もなく日本のプロ野球が開幕しますが、今年度、野球規則はどのような点に改正、変更が加えられているのでしょうか。大きな変更はあったのでしょうか。

 例年、1月中に日本野球規則委員会で話し合いが行われ、その年の野球規則の改正等が決定しますが、今年度は例年に比べて改正点は多いわけではありません。

 大きな部分では投手のワインドアップポジション、およびセットポジションに関する野球規則5.07(a)(1)=ワインドアップポジション、(2)=セットポジションに関し、日本のアマチュアだけに適用されてきた【注】が削除され、国際基準に合わせる改正が行われたことでしょう。22年度の野球規則には掲載されていない削除された【注】(21年度まで掲載)が次です。

 5.07(a)(1)【注1】=「アマチュア野球では、投手の軸足および自由な足に関し、次のとおりとする。[1]投手は、打者に面して立ち、その軸足は投手板に触れて置き、他の足の置き場所には制限がない。ただし、他の足を投手板から離して置くときは、足全体を投手板の前縁の延長線より前に置くことはできない。[2]投手が[1]のように足を置いてボールを両手で身体の前方に保持すれば、ワインドアップポジションをとったものとみなされる」

 5.07(a)(2)【注1】=「アマチュア野球では、本項[原注]の前段は適用しない」

 後者の『[原注]の前段』とは「走者が塁にいない場合、セットポジションをとった投手は、必ずしも完全静止をする必要はない」の部分を指しています。日本代表もトップチームのみならず、社会人、U-23、大学、U-18、U-15、U-12、そして女子と、各カテゴリーで盛んに国際大会が行われており、「全世代で世界一」をコンセプトに13年に侍ジャパンが結成しているのですから、“世界基準”に統一するのは当然ではないでしょうか。<次号に続く>。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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