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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

2022年度の規則改正の内容はどのようなもの? 大きな変更はあった? 【後編】

 

間もなく日本のプロ野球が開幕しますが、今年度、野球規則はどのような点に改正、変更が加えられているのでしょうか。大きな変更はあったのでしょうか。

 前号では投手のワインドアップポジション、およびセットポジションに関する国際基準に合わせた改正について紹介しました。今号ではアメリカでも行われた改正で、唯一の原文の改正となった野球規則6.01(a)(1)について紹介します。

 6.01は“妨害・オブストラクション・本塁での衝突プレー”について触れたもので、(a)は“打者または走者の妨害”を定めたものです。昨年度まで(1)は「次の場合は、打者または走者のインターフェアとなる」として次のように記されていました。

「(1)捕手に捕球されていない第3ストライクの後、打者走者が投球を処理しようとしている捕手を明らかに妨げた場合。打者走者はアウトになり、ボールデッドとなって、他の走者は投手の投球時占有していた塁に戻る」

 2021年度の野球規則では、このあと、【原注】、【注】を挟んで(2)へと進みますが、今年度の改定で(1)の最終段落として次の文章が追加されました。

※追加分「もし、捕球されずに本塁周辺にとどまっている投球が、打者または審判員によって不注意にそらされた場合、ボールデッドとなって、塁上の走者は投手の投球時占有していた塁に戻る。この投球が第3ストライクのときは、打者はアウトになる」

 今年度は例年に比べて改正は少ないですが、アメリカのマイナー・リーグでは野球の本質的な面白さを再確認させ、試合中にいかにインプレーの時間を多くするかを追求するための試験的規則が採用されています。以前にもこのコーナーで紹介したベースの拡大や守備位置の制限(※MLBでは大きな守備シフト禁止が今年度導入で話し合われています)などです。果たして、23年はどのような変化があるでしょうか。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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