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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

新労使協定が締結され動き出したMLBで新しいルール変更はある?

 

ようやく新しい労使協定が締結され、動き出したMLBですが、2022年度、新しいルールの変更はあるのですか?

 日本時間の3月11日にMLB機構とMLB選手会による労使交渉がようやく合意に達し、新しい労使協定が締結されました。これにより、99日間に及ぶロックアウトが解除され、開幕予定の4月8日(日本時間)に向けて、各球団がスプリングトレーニングに入っています。

 スケジュールを一部変更しながらも、162試合制のレギュラーシーズンを維持。当初の予定から1週間遅れで開幕し、最初の1週間に予定されていた試合は、レギュラーシーズンの最後に追加される3日間と、シーズン中のダブルヘッダー[9イニング制]で消化されることとなるようです。新しい労使協定ではポストシーズン出場枠の拡大(これまでの10球団から12球団へ)など、さまざまなルール変更が加えられています。

 このコーナーで関係のあるフィールド上のルール変更としては、ユニバーサルDHの導入でしょう。コロナ禍で行われた20年シーズンと同様、今季からはアメリカン・リーグ、ナショナル・リーグの両リーグで指名打者制が採用されることとなりました。

 なお、マイナー・リーグや独立リーグでテスト運用されてきた当コーナーでも紹介済みの新しいルール、例えばピッチクロック導入や守備シフトの制限、ベースサイズの拡大、ストライク自動判定(ロボット審判)といったものについては現時点では採用されないようです。

 23年シーズン以降は、現役選手4人、MLB機構が任命する6人、審判員1人から構成される委員会により、これらの新しいルールの検討、決定が行われ、45日前(※これまでは1年前)に選手たちに通知することで新ルールの実施が可能となるようです。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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