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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

BIGBOSSが開幕から2試合連続でオープナーを採用。1試合の投手起用に人数制限はある?

 

日本ハムのBIGBOSS(新庄剛志監督)が開幕シリーズから飛ばしに飛ばしています。特に気になったのが投手起用です。中継ぎ投手を先発させ、継投でしのぐオープナーは以前から日本ハムでも採用されていた戦術ですが、必然的に起用人数も増えるように思います。ルール上、投手起用の人数制限はないのでしょうか。

 結論から言うと、投手として起用できる人数に関しては特に制限はありません。大量得点差がついた試合で野手がマウンドに上がることもあるように、その試合に出場する資格のある選手であれば、誰でもマウンドに上がることが可能です。

 とはいえ、投手の起用方法にはいくつか制限があります。例えば、先発投手、救援投手ともに第1打者またはその代打者がアウトになるか、一塁に達するまで投げなければならないという投球義務(※ただし負傷や病気の場合を除く)があります。逆に言うと、その義務を果たせば、いつでも交代することができるわけです。

 ただし、交代した投手の扱いに関するルールもあり、「選手の交代」に触れた野球規則5.10(d)【原注】には「投手が投手以外の守備位置に変更となった場合、同一イニング内では再度投手に戻る以外の守備変更は認められないほか、再度投手に戻った後は別の守備位置を守ることができない」とあります。

 つまり、同じイニング内で同じ投手が、投手→野手→投手と交代することは1度は認められるものの、2度目は許されず、次に交代する際は、この投手はベンチに下がることになります。ただ、この継投(交代策)は、プロ野球ではほとんど見ることはありません。高校野球ではよく見かける交代策で、高校野球特別規則により、5.10(d)【原注】は適用しない旨、定められています。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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