センバツ高校野球で審判団が誤審を認めて謝罪し、1度はアウトとした走者を生かしてプレーを再開する、という事例を2号前のこのコーナーで紹介していました。確か、一塁線へのバントを球審はフェアと判定したのに、二塁塁審がファウルのゼスチャーで走者を戻したことが発端だったと記憶しています。このように、審判員がそれぞれ異なるジャッジを下した場合に、どうすべきなのかの決まりはあるのでしょうか。 質問のシーンは今春の選抜高校野球第2日(3月20日)、第1試合の広陵高対敦賀気比高の4回裏、広陵高の攻撃の場面(無死一塁)でのものです。質問にある経過のとおりで、この際は審判員が誤審を認め、球審が場内放送で異例の謝罪を行って、一度はアウトを宣告された走者を二塁に戻してプレーを再開する、という珍しいシーンでした。このように2人以上の審判員のジャッジが異なった場合の対処方についても、“審判員”について触れた野球規則8.03(c)に、下記のように記述があります。
「一つのプレイに対して、2人以上の審判員が裁定を下し、しかもその裁定が食い違っていた場合には、球審は審判員を集めて協議し(監督、プレーヤーをまじえず、審判員だけで)、その結果、通常球審(または、このような場合には球審に代わって解決にあたるようにリーグ会長から選任された審判員)が、最適の位置から見たのはどの審判員であったか、またどの審判員の裁定が正しかったかなどを参酌して、どの裁定をとるかを決定する。このようにして、決定された裁定は最終のものであり、初めから一つの裁定が下された場合と同様に、試合は続行されなければならない」 質問のケースでも審判団の協議の結果、最終のジャッジが下されました。現在、プロでは審判団によるリプレイ検証を選択することも、1つの方法だと考えられます[文責=編集部]